私が六年生になった年の、夏の始め頃のことだった。副担任の先生が私を呼び止めて、進路はどうするのかと訊いてきた。
先生は、前にいた学校でNEXTが沢山いるクラスを担任したことがあって、その子たちの卒業後の進路を面倒看たという。だから私にも、何か解らないことや困ったことがあったら、遠慮なく相談しに来てねと先生は言った。
私は先生に、具体的にどういう進路があるのか質問した。何となくこのままみんなと同じ中学校に行くつもりだったけど、別に、どうしてもそっちに行きたいという訳じゃなかったからだ。
先生は、NEXTの子が勉強する為に作られた学校が色々あると教えてくれた。そこでNEXT能力の使い方を訓練したり、NEXTとして生活していくのに必要な事を勉強するんだって。
「他には、ちょっと専門学校の分類に入るだろうけど、ヒーローアカデミーに行くという進路もあるね。鏑木さんのお父さんは、NEXTだったね。お父さんは、どんな学校に行ってた?」
お父さんは普通の学校に行ってたみたいです、と私が答えると先生は、それじゃあお父さんもNEXTの学校にはあんまり詳しくないかもしれないから、何か聞きたい事があったらおいでと言った。
放課後、私は学校から帰るとすぐに図書館に行って、そこのパソコンを使ってNEXTの学校について調べた。家でパソコンを使っていると、お父さんが興味津々に後ろから覗き込んできて鬱陶しいからだ。
どうやら、オリエンタルタウンにNEXTの為の学校はないみたいだ。幾つかあるNEXT向けの学校の場所を見てみると、どこへ通うにしても、私が今の家からは遠すぎる。寮に入るか、下宿するかしなくちゃいけない。
すると、進路に悩んでいるNEXTの為の掲示板を見つけた。そこの書き込みを読んでみると、
『危険な能力の人や、珍しい能力の人は、いっそヒーローアカデミーに通うのも手だよ』
というアドバイスがあった。そのアドバイスを書き込んだ人によれば、能力の種類によっては、悪い団体が利用しようと近寄ってくることがあるという。その人はヒーローアカデミーの卒業生で、結局ヒーローにはならなかったけど、アカデミーで学んだことが自分の身を護るのに役立っているそうだった。
私の能力はコピー。おばあちゃん達によると、珍しい能力だという。とりあえず私はNEXTの先輩のアドバイスを参考にして、ヒーローアカデミーの公式ホームページを開いてみた。
ヒーローになるつもりは全然ない。けど、何だかお父さんと距離を置きたいという気持ちもあった。あれだけ泣いてお父さんをこっちに帰らせたくせに、私って、嫌な子だ。
とりあえずリンクをクリックして見てみる。校内の様子や授業風景、卒業後の進路といったページを順番に開いて見ていると、教員紹介のページを少し下にスクロールしたところで、私は石のように固まった。
『バーナビー・ブルックスJr.』。
講師の中に、その名前が確かにあった。他にはヒーローアカデミーの卒業生だということと、卒業年度が書かれている。写真はなかった。
一年前、バーナビーさんが引退した時、あの人の人気はかなり落ちていた。それでもめげずに応援し続けてたファンもいたみたいだけど、世間の大半はバーナビーさんの引退を知った時、ああやっぱりか、と納得している声が殆どだった。つまり、あんまり引退を惜しまれなかった。
その後、バーナビーさんがどうしていたのか、私は全く知らなかったし、知ろうとも思わなかった。引退のニュースだって、たまたまインターネットを使って調べ物をしていた時に、偶然目に飛び込んできて知ったのだ。
私はパソコンのモニターを見つめたまま固まっていた。しばらくして、だんだん気分が落ち着いてきて、大きくため息をつく。その後は、もう外にいる気になれなくなって、家に帰った。
うちに帰ると、お父さんが庭に出ていた。仕事が早く終わったんだろう。今年はお父さんの提案で初めて紫蘇を植えたんだけど、やたらと成長し過ぎて、周りの畝にまではみ出してきている。お父さんは茄子の畝を侵食している紫蘇をぶちぶちっと抜いていた。
「おう、お帰り、楓!」
お父さんは紫蘇を抜き終わったところで、私が見ているのに気づいた。縁側から家の中に上がろうとして、太いかぼちゃの蔓に足をひっかけて転びかける。相変わらず格好悪い。大体そのかぼちゃだって、お父さんが植えようって言い出したのに。
台所にいたおばあちゃんが、畑仕事で服を汚したお父さんに、お風呂に入ってくるよう言った。私は自分の部屋で着替えてから、おばあちゃんを手伝いに台所へ戻る。テーブルを拭いていると、お風呂場の方からお父さんの鼻唄が聞こえてきた。それから二十分ぐらいして上がってきたお父さんが、Tシャツにジャージ姿で居間にやって来たのと入れ違いに、私はお風呂に入った。
図書館でバーナビーさんの名前を見つけた時、正直、ほっとした。今まで自分でも全く気づかなかったけど、私は多分、引退したバーナビーさんが何処でどうしているのか、気になっていたんだ。
うちの暗黙のルールは、今でも続いている。お父さんの口からバーナビーさんの名前が出た事は、一度もない。でも、お父さんが頭の中で考えていることまでは、私にだって知りようがないんだ。
週末の午前中、お父さんと二人で縁側に座って、盥一杯に取ったさやえんどうの筋を取った。おばあちゃんは町内会の集まりに出かけていて、今はいない。
「いっぱい採れたなあ」
……採れすぎだよ。毎日毎日おかずに出るもんだから、いい加減飽きてきた。おばあちゃんの言う通り、畝の半分に植えておけば良かったのに、お父さんって計画性がないよね。
「まあ、そう言うなって。これだって、今のうちにしか食えないんだから。それになあ、こーんなちょっとの量でも、お店で買ったら結構な値段がするもんなんだぞ」
……お父さん。あのね、うちの学校の先生が、私は進路どうするのかって。NEXT向けの学校に行く、っていうのもあるって。
……それで、私、どんな学校があるか調べてみたの。お父さん、普通の学校行ってたから、全然解んないでしょ。
「あー、まあ、うん。でも、普通の学校も楽しいぞ? 楓は、今の友達と同じ学校には行きたくないのか?」
……そうじゃないけど、とりあえず私の話聞いてよ。
……で、NEXT向けの学校のことなんだけど、ヒーローアカデミーもそういうのに含まれるんだって。
「ああ、そうなんだ。ふーん……それで楓は、そっちに行きたいのか?」
……まだ決めてない。
「そっかー」
……あのさ、お父さん。
「どうしたー?」
……この間ネットで知ったんだけど。
……バーナビーさんが、ヒーローアカデミーで先生やってるんだって。
「ああ、うん、そっか」
ああ、
……お父さん、知ってたんだね。
私がそう言うと、お父さんは手を止めて私の方を向いた。
こっちに帰ってきてから、お父さんが私に嘘をつかなくなったという事。それは私の勘違いなんかじゃなかった。こっちに帰ってきてから、お父さんはバーナビーさんとの連絡を一切絶っていた。バーナビーさん以外の他のヒーロー仲間とも、電話もしてなかったらしい。
私の事が一番大事だという、その言葉まで私に嘘だと思われたくなかったと、お父さんは話した。
「それになあ、死んだお母さんとも約束してたんだよ。ずっと楓のヒーローでいる、ってさ。なのに楓を泣かせてたら、お父さん、ヒーロー失格だろ?」
シュテルンビルトでの生活はすっぱり忘れて、思い出すようなものは全部納戸にしまって、それきりだったとお父さんは話した。捨ててなかったんだね、と私が言うと、お父さんは私にごめんと言って謝った。別にいいよ、と私は答えた。
お父さんは、バーナビーさんの事はすごく気になっていたけど、さよならする時に色々あったし、『バニーはお父さんより優秀なヒーローだったから』、一人でも大丈夫だろうと思っていたらしい。バーナビーさんが不調になっても、引退しても。
半年前、学校の先生との保護者面談で、お父さんは先生と私の進路について話し合ったそうだ。お父さんは当たり前のように私を普通の学校に通わせるつもりだったけど、担任の先生から、NEXT向けの学校に通わせる事は考えているのかと質問された。お父さんは驚いたけど、先生と話すうちに、私がそっちに進みたいと言い出した時の事も考えて、色々調べておいた方がいいんじゃないかと思ったらしい。
その週の休みに、お父さんは電車でアカデミーに資料を貰いに行った。
……資料なんて、インターネットか電話で請求すれば送ってもらえるじゃん。公式ホームページにそう書いてあったのに、お父さん、ちゃんと読んでなかったの?
「いや、その時は、公式ホームページがあるって事も知らなくってさ。でも、あ、そっか! 郵送って手があったわ」
私は呆れて話を続けるように言った。
お父さんはヒーロー時代、アカデミーで一日講師をした事があった。だから久しぶりに見るアカデミーの校舎に懐かしくなったけど、資料を貰ってすぐに帰るつもりだった。だけど顔見知りの校長先生に見つかって、どこへ連れて行かれるのかと思ったら、バーナビーさんのところだったと言う。
……それで?
「それから、何回か電話はしたけど、直接会ったのは、その時だけだよ」
電話なんていつしてたのか、と訊いたら、仕事先での休み時間にしていたとお父さんは答えた。
……お父さんさ、バーナビーさんのこと、まだ好きなの?
「ええと」
どうなの。
「……うん」
……そっか。
……ごめんね。
……お父さん、私ね、嘘ついてたんだ。
……ほんとは、私、怖かったの。お父さんに好きな人が出来たら、私のこと忘れちゃうんじゃないかって思ってた。
……だから、お父さんに、私のことだけ好きでいてほしかった。それだけだったの。
……あの時は分かんなかったの。お父さんが私のことだけ好きだったら、私はここに生まれてきてなかったんだってことが。
……後になって解ったけど、でも、言えなくって。だって、もう終わったことだったし、取り返しがつかなくなってて、
……お父さんが、私のこと嫌いになってたら、どうしようって、
「そっか。ごめんな、お父さん、気づいてやれなくて。ごめんな」
ごめんね。
「楓、もう寝ちゃったか?」
まだ起きてるよ、と私が言うと、お父さんは真っ暗な私の部屋の中に、電気を点けずに入ってきた。開けっ放しのドアから廊下の灯りが少し入ってきている。
お父さんはベッドの傍にしゃがんで、寝ている私の頭を撫でた。
「昼間になあ、話するの忘れてたんだけど……楓さ、バニーちゃんのファンだったろ。雑誌の切り抜きとかいっぱい集めててさ。だから、その……ごめんな」
……あれ、捨ててないよ。
「え、そうなの」
……うん。まだ、引き出しのどこかにしまってある。ポスターも。どこにいったか分かんないけど、探せば出てくると思う。
……ねえ、話ってそれだけ?
「まあ、うん。そうだな」
……お父さんさあ、バーナビーさんのこと『バニー』って呼んでたの?
「へ? うん、そう。ほら、ヒーロースーツの頭の横に、長い耳みたいなのがあったろ? それでさ……」
……なんかイメージと合わない。怒られなかったの? バーナビーさんに。
「最初は怒ってたけど、いつの間にか何にも言わなくなったなあ」
……ふうん。
……あのさ、お父さん。ウサギって、寂しいと死んじゃうって言うよね。あれ、嘘なんだって前に友達が言ってたんだ。
……でもさ、寂しいのが平気な人って、いないんじゃないのかな。
週末のお休みの日に、私はお父さんと一緒に電車に乗って、シュテルンビルトに行った。バーナビーさんと会う為だ。
お父さんの方から言い出したんだけど、お父さんがそうして欲しいのなら私は構わなかった。
電車を乗り継いで人通りの多い駅に着いたところで、私はお父さんと別れる。元々そういう約束だった。お父さんは私について来ようとしていたけど、多分お父さんがいる方が訳分かんない話になりそうだったから、携帯の電源を入れておくよう言って別れた。
待ち合わせの場所は駅からそう遠くない。そこで、バーナビーさんの方が先に来て私を待っていた。私が持ってた写真のバーナビーさんより、少し髪が短くなっていた。
私が声をかけると、バーナビーさんはちょっと私を見てから、私がお父さんの娘だってことに気づいた。私がバーナビーさんと会ったのは、スケートリンクで助けてもらった時だけだ。私の顔を覚えていたんですか、と訊くと、
「前の職場にいた時に、虎徹さんがよく君の写真を僕に見せて、自慢してきたから」
って、バーナビーさんは言った。お父さん、どんな写真を見せてたんだろう。変な写真じゃないといいんだけど、私が『変だから捨てといて』って言ったはずの写真も、お父さんは勝手に取っておくからなあ。
前もって決めていたのは待ち合わせの時間と場所だけで、どこへ行くかは全然決めてなかった。どこへ行くかバーナビーさんに訊かれて、私は、ここからあんまり遠くないところがいいですと言った。それで、近くの公園に行くことになった。
すれ違う人たちの何人かが、バーナビーさんを見る。引退してから一年しか経ってないから、顔を覚えている人はまだいるんだろう。でも、声をかけてくる人はいなかった。
噴水のある広い公園のベンチに並んで座る。少し離れた木陰にアイスクリームスタンドがあって、バーナビーさんにいるかと訊かれたけど、私は首を左右に振る。
公園のベンチは私には少し高くて、ちゃんと座ると足が地面につかない。噴水はきれいだけれども、座り心地は良くなかった。
私の隣に座っているバーナビーさんは何も言わない。この人と会おうって言い出したのは、お父さんの方だ。私は別に文句を言わなかったけど、バーナビーさんの方は、あんまり私には会いたくなかったのかもしれない。
……あのね、バーナビーさん。今日、私ね、お願いしたいことがあるんです。
「……はい」
……お父さんのこと、取らないでください。
……私も、お父さんのこと、バーナビーさんから取ったりしないから。
……ごめんなさい、まだ、私、お父さんをあげられないんです。
……でも、バーナビーさんがお父さんと一緒にいたいって言うのなら、それでもいいです。
……私をまだ、お父さんの娘でいさせてください。
用事が済んだら、お父さんを携帯で呼ぶ事になっていたけれど、ちょっと事情が変わってしまった。バーナビーさんの隣で私が泣いているところを、通りがかった人が見つけて、警察に通報してしまったからだ。やって来た警察の人二人はバーナビーさんが元ヒーローだとすぐに気づいたけど、元ヒーローでも、警察の人にすぐに放してもらえる訳じゃないんだって。
お父さんが来るまでの数分の間に、私は警察の人たちに何があったのか説明させられた。その間に汗だくで公園に駆け込んできたお父さんは、ズボンのファスナーが開きっぱなしだった。トイレに入ってる時に電話が鳴ったから慌てて来たって言うけど、もうやだ、恥ずかしい、お父さんの変態。私、これからこの警察の人たちに、この人が私のお父さんなんだって説明しなくちゃいけないのに。
警察の人に身分証を出すよう言われて、お父さんは服のポケットを漁った。けど、なかなか見つからない。
「同じところにしまわないから、いざという時に見つけられなくなるんですよ。全く」
バーナビーさんが呆れたように言った。
お父さんはようやく身分証を見つけて警察の人に見せて、何があったのか訊いた。通行人から通報があったと警察の人が言うと、どういうことなの、と私とバーナビーさんに訊いてくる。
警察の人は、お父さんが来たところで、さっきの話の続きをしてほしいと私に言ってきた。
「ここで君は、このバーナビーさんと一緒に並んで座っていたんだよね。通報した人は、君が泣いていたと言っていたんだけれども、どうして泣いてたのかな」
お父さんが再婚するかもしれないからです、と私は答えた。別に嘘はついてない。
「え、そうなの?」
お父さん、自分の事のくせに何言ってるんだか。
警察の人は、こんなおじさんがねえ、と言いたそうに見えた。そうなんです。こんな格好悪いおじさんでも好きだっていう人がいるんです、ここに。
「再婚なさるんですか」
「はあ、まあ……」
「はっきり仰っていただけませんかねえ」
「ええと、まだ検討中かなあ……あ、いえ、検討中です、はい」
かなり長い時間かけて話を聞かれたあと、ようやく警察の人たちは帰って行った。
もう夕方だったし、お父さんは何か食べて帰るかと私に言ったけど、私は早く家に帰ってやりたい事があったから首を横に振った。
駅前でお父さんとバーナビーさんが少し話をして、手を振って別れた。それだけでいいのかなと思ったけど、とりあえず何も言わないでおく。
電車に乗って家に帰ると、もう真っ暗だった。村正おじさんがうちに来ていて、おばあちゃんがとっくにお夕飯の支度をしている。お腹が減っていたから、私とお父さんはお風呂の前にご飯を済ませることにした。
お夕飯を食べてお風呂に入ったあと、私は自分の部屋であちこちの引き出しを漁った。ちょっと大きい四角の空き缶が出てくる。中を開けると、雑誌の切り抜きやプロマイドが入っていた。予想していたよりも割と綺麗なままだったから、ちょっと安心した。雛人形の箱を包んでるチラシとか新聞紙みたいに、古くなってないみたいで、良かった。
自分でもよくこんなに集めたなあ、と思う程沢山あるけど、その中にワイルドタイガーの写真はない。あの頃は特に欲しいって思わなかったから、全然取って置いてなかったんだ。
居間に降りていくと、お父さんと村正おじさんがテレビでベースボールの試合を見ながらお酒を飲んでいた。お父さんに、ヒーロー時代だった頃の写真は持っているかと聞いたら、お父さんは少し首をひねって考えた。
「うーん……押し入れのどっかにしまったと思うなあ。何だ、見たいのか? ちょっと待ってなさい」
お父さんは少しして、段ボールの箱を抱えて戻ってきた。中から出てきた青い全身タイツの写真を見た私が、なにこれ変、と正直に思ったままのことを言うと、お父さんが口を尖らせる。
「変はないだろー。このスーツにはなあ、お父さんのいろーんな思い出が詰まっててだなあ……」
しつこくなりそうなお父さんの話を無視して、私は段ボールの中身を漁った。出てくるのは変なスーツの写真ばっかり。それを見ていた村正おじさんが言う。
「何だ、Top MaG時代の写真ばかりじゃないか。お前、アポロンメディアにいた時の写真はどうした」
「あー、そっちの写真はあんまり持ってないんだよな。ほら、俺、人気が出た時期が短かったろ? 出版社からもらった雑誌なら、何冊かあった筈だけど」
……何冊って言っても、五冊ちょっとだけじゃない。お父さん、電話貸して。
「え、え、なんで?」
……バーナビーさんなら、まだ持ってるかもしれないじゃん。
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