今日は楓さんが泊まりに来る日という事で、虎徹さんは有休を取って、朝から掃除道具を引っ張り出して家中を掃除して回った。僕の方はというと、役所に用事があったので、家の片付けを虎徹さんに一任して早めに家を出た。勿論、同じく有休を取って。休日の役所の混雑は並じゃない。僕を含めた一番乗り狙いの利用者で混雑した役所の待合室で、正午近くまで長々と待たされて、やっと家に帰る頃には、虎徹さんが例によって例の如く、炒飯を作って待っていた。この人は、面倒になったらいつもこれだ。
夕食はどうするのかと僕が尋ねると、虎徹さんは、もう大体決めて買い物も行ってきたと答えた。彼が指さした先のローテーブルの上に、フルカラーで印刷された紙が重ねられている。インターネットでレシピを検索して印刷してきたらしい。用意がいいのはいい事だけれども、僕の見間違いでなければ、あのレシピは十枚以上ある。レシピ一つにつき二枚使うとしても、五品を越えている計算になる。
……いくら何でも作りすぎじゃありませんか?
「いや? そうでもないって。後で見てみりゃ分かるけど、量はそんなにないんだよ、和食だから。ほら……楓がさあ、前に来た時言ってたじゃん? 『寮の食堂のメニューは洋食ばっかりだから、たまに無性に和食が食べたくなる』って」
確かに、そう言っていた。だから楓さんが眠った後で、僕らはそれぞれ夜間営業のスーパーやコンビニを回って食材を探した。味噌だけがどうしても見つからず、中華食材のコーナーでペッパー入りの味噌を見ながら、これはちょっと無理があるのではないかと相談し合ったものだった。
少し遅い昼食を終えた後、虎徹さんはすぐに夕食の仕込みにかかり、僕は虎徹さんが片付けた家の中をチェックして回った。大体問題がなさそうなのでキッチンに行き、虎徹さんを手伝う。レシピは日系人向けのものだった為に独特の言い回しが多く、『色紙切り』とは何だ、『板ずり』とは何だと議論し単語の意味を調べながら、夕食の準備は進められた。
夕方に楓さんから電話が来ると、虎徹さんは鼻唄混じりで迎えに出掛けていった。その間に僕が一人で夕食の支度を進める。虎徹さんが探してきたレシピの和食は、殆ど僕の知らないものばかりだ。本来の味に少しでも近く出来上がればいいのだけれど。
夕食の下準備が終わり、調理器具を洗っている最中に虎徹さんが帰ってきた。楓さんを連れて。玄関の方から、何か二人が言い合う声が聞こえてくる。
「……だーかーらー、パパに任せてみろって言ってるだろ? 絶対、可愛いの選ぶって」
「やだ。絶ーっ対やだ。お父さんのセンスなんか当てになんない。これでいいの!」
「よくないって。パパは楓の事を心配してだなー……」
「あーもう、その話し方やめてったら……あっ、バーナビーさん、こんばんは」
今年で十四歳になる楓ちゃんは、黒いブラウスに白いミニスカートという格好だった。どうやら虎徹さんはその服装が気に入らなかったらしく、もう少し露出を抑えてほしいと訴えている。それに対して、楓さんは頑として首を横に振ってきかない。
「お父さん、古い! このくらい普通じゃない」
「いやでもね、世の中には危ない奴がうろうろしてんの!」
「そんな危ない事にならないもん」
「みんなそう思ってるもんなの」
「そりゃそうだけど……でも、だからってお父さんのセンスに合わせるなんてやだ。最悪」
「そんな事ないって! 明日の買い物で、パパが絶対、楓に似合う超可愛い服見立ててやっから!」
「や・だ! お父さんが決めるんなら、明日は買い物行かない。家で留守番してる」
「そんなぁ……」
話が一区切りついたところで、手を洗ってくるよう僕が言うと、二人は一緒に洗面所へ向かった。洗面所から戻ってきた虎徹さんは冷蔵庫を開け、楓さんは自分が寝る部屋に荷物を置きに行った。彼女の今日の荷物は、学校の校章入りのスポーツバッグが一つだけだった。
「うう、楓が反抗期だぁ……なあバニー、どう思う? あんな服……そりゃあ可愛いよ? 何たって俺の娘だもん。でも何つうか、こう、こっちとしては心配になるっていうかさ……」
……あんまり子供扱いしていると嫌われますよ。
「子供だもん」
……まあ、それはそうなんですけど。
彼女は多分、虎徹さんが考えているよりも、ほんの少しだけ大人なのだと思う。
そうなってしまったというか、そうならざるを得なかったんだろう。そして、その原因の一端は、僕である訳で。
けれども、楓さんが虎徹さんの子供であるという事実は、永遠に変わらない。その事実を、彼女が安心して抱きしめていられたらいいな、と僕は思う。少なくとも、彼女の父親は、まだこうして生きているのだから。
「……そういや、夕食の準備全部やってくれたんだな。サンキュー」
……レシピ通りにしましたし、自分では、まともな味になっていると思うんですけど、後でちょっと味みて下さいね。
「お前の食ったことなさそうなのばっかりだからなあ。でもまあ、多分大丈夫だろ。ちょっと早いけど、夕飯にしようぜ」
虎徹さんが意気込んで用意した夕食は、虎徹さんが想像していた程には、楓さんに食べてもらえていなかった。
まあ、予想出来た事ではあった。味はともかく、品数と量がちょっと多すぎる。
「楓、どうした? もっと食ってもいいんだぞ? たっくさんあるんだから。ほら、しんじょもお替わりあるから、どんどん食べろって。好きだろ?」
「食べるよ。食べるけど……私、お父さんほど沢山は食べられないよ」
「えー……」
……余ったら、明日の朝食にすればいいじゃないですか。
「まあ、そうだけどー……」
……楓さん、味の方はどうですか?
「あ、はい、美味しいです。寮のカフェテリアのメニューって、ファーストフードみたいなのばっかりだから、久しぶりに日本食が食べられて嬉しいです」
「寮の食堂じゃ、野菜って出ねえの?」
「出るけど、うちの学校は別に頼まないと出ないよ。それに野菜って言っても、ただ茹でたり蒸したりしただけのやつで、正直あんまり美味しくないんだもん」
「ふうん、バニーんとこもそうだったのか?」
……ヒーローアカデミーもそんな感じでしたよ。僕はカフェテリアのメニューが好きじゃなかったので、自分でランチを持ち込んでいましたけど。
……ベジタリアン向けのメニューもありましたけど、そちらもあまり美味しくないって評判でしたね。
「いいなあ。うちはよっぽどの理由でもない限り、持ち込み禁止なんですよ。ほんっとに厳しくて。だから他の子たちの中には、休日になるたび外で外食しちゃって、太っちゃった子もいるくらいなんです」
「だったらヒーローアカデミーにしとけば良かったのにー。そしたらパパの仕事場からも近くて、すぐ楓に会いに行けたのになー」
「だって私、別にヒーローになる気ないし」
こんな事を言いながら、結局虎徹さんには、楓さんをヒーローにしようという気は更々ない。楓さんが能力に目覚め、将来の進路を選ぶ年齢になって、ようやく安寿さんの気持ちが理解出来るようになったと前に話していた。
「そうだ! ねえ、テレビ点けていい? 今日、NBSで二時間ドラマやるの」
「いいよ。どんなドラマなんだ?」
「『ソワール』のバーバラ・プレストンが主演のサスペンス。雑誌で見たんだけど、ダニー・ペイジが刑事役やるんだって。すっごくカッコいいの!」
「へー……」
うきうきしながらテレビの電源を入れる楓さんの背後で、虎徹さんがダニー・ペイジって誰だっけと訊いてくる。誰だと言われても、ここ最近色々な映画やドラマに出演している人気俳優なので、どう答えたものが困ってしまった。この間一緒に観た映画でシングルファーザー役をやっていた俳優の弟だと答えると、とりあえずそれで納得した様子を見せる。
ドラマは、ごく普通の一般家庭の日常と、巷を騒がしている事件の様子とが対比的に描かれていく。序盤はこの両者に共通点がないように思われたが、やがて事件関係者の名前が挙がるうち、前者の幸福な家庭に不穏な影が兆していった。
「あ、ブルーローズだ」
虎徹さんが言う通り、クラブのシーンで、ピアニストを演じているのは紛れもなくブルーローズさんだった。
いや……今はもう、カリーナさんと言った方がいいだろう。彼女は二十歳でヒーロー業を引退し、現在は本名の『カリーナ・ライル』で歌手活動に専念しているからだ。
「綺麗だよねえ、カリーナさん」
「いやー、顔見たの久々だわ。ネイサンの奴は全然変わんねえけど、こっちは変わったなあ。ちょっと見ない間に、まあ随分と大人っぽくなっちゃってよ」
ヒーロー業を辞めたのは彼女だけではない。彼女より少し先に、ファイヤーエンブレム先輩がヒーロー業を引退した。あの人もカリーナさん同様、引退後に正体を明かした一人だ。元ヒーローである事から、今やシュテルンビルトでも最も有名なゲイ・アイコンの一人に数えられている。トークがなかなか上手である事から、よくニュースに出演しているのを見る。
それに、もうすぐヒーローを引退する人がもう一人。虎徹さんもその事を思い出したのか、
「やー……こりゃあひょっとしたら、スカイハイや折紙より先に、ブルーローズが結婚するって事もあり得るか?」
と、複雑そうな表情で零した。
さて、ドラマの方なのだけれど……何とも言い難い内容だった。
サスペンスものは、ややもすれば楓さんのようなローティーンにはショッキングな展開が起こるものなので、そうなった時の為に注意しながら観ていたのだが、ストーリーは決して悪くない。楓さんに見せられないようなシーンはないし、突飛な展開が見られない点がむしろ好ましいくらいだ。
ただ、次第に見えてくる主要人物達の関係が、負の感情で精神的に束縛し合っていて、非常に重苦しい。なまじ演じている俳優の演技が優れているだけに、余計にリアルで重く感じられる。こういう作品が好きな人はかなり気に入るのだろうけど、正直、放送時間帯を外している気がする。
一時間程経ち、僕らが夕食を終え、ドラマでは事件の真相が大体見えてきたところで長いCMが入った。それを待っていたかのように、ソファに腰を据えていた虎徹さんが、隣の楓さんに向けて恐る恐る口を開いた。
「な、なあ、楓……これ、まだ観るか?」
「ううん、観ない……つまんない訳じゃないんだけど、なんか暗い……」
「んじゃ、別の観るか……っつっても、ろくなのやってないな……なんか、うちにある映画でも観るか」
「うん。でも、私その前にお風呂入りたいな」
「んじゃ、先に入ってきなさい」
その時、虎徹さんの携帯電話が鳴った。ロイズさんからだ、と呟くと、急いで廊下へ出て行く。
その間に僕は、キッチンのシンクに置いたままの食器を、食器洗い機に入れる作業に取りかかった。
「あっ、私、手伝います」
いいよ、と言おうとしたけれど、僕は少し考えてから、虎徹さんが使っていたグラスを持ってきてくれる様に頼んだ。今晩はあの一杯で最後だと言っていたから、もう片付けても問題ない筈だ。
食器洗い機に入れられないグラスを洗っていると、楓さんがそれも手伝うと申し出てきたけれど、今度こそそれを断って、入浴を勧めた。
そういえば、今はちょうど虎徹さんの姿がない。ちょうどいいので、彼女にそれとなく尋ねた。夕食の最中、彼女が時々妙に深刻な顔をしながら食べていたのが気になっていたからだ。
……そういえば楓さん、あまり箸が進んでいなかったようですけど、どこか具合でも?
「あ、いえ、違うんです。お夕飯はすごく美味しかったんです。ただ、その……」
と言って、楓さんがうーんと唸る。
「……美味しかったんです。美味しかったんですけど、あんまり食べ過ぎちゃって、体重がばーんと増えたら嫌だなあって……運動実習の時とか、恥ずかしいし」
なるほど。
頬を染めながらそう打ち明ける楓さんを見ていると、ひょっとしたら、学校で誰か気になる異性がいるのかもしれないと思った。虎徹さんがいない時に訊いて正解だった。
体重を気にし過ぎて、無理に減食するのだけはしない方がいい。僕がそう言うと楓さんは頷いてくれて、そうして会話が止むと、沈黙が漂う。大体の仕事が済んだところで、今度こそ彼女をバスルームへ送り出した。
虎徹さんが場からいなくなり、彼女と二人きりになると、こうして空気が僅かに硬くなる。今日だけの話ではなく。
多分彼女にとって、今のこの状態は決して「最も望ましい状態」ではないんだろう。けれど、彼女の希望はもう現実に出来るものじゃない。それは、僕が言ってはいけない事なのかもしれないけれど。
『まあ、これでも良かった』……月日が経って、いつか彼女がそんな風に思えるようになるのが、現時点で最良の未来なんだと思う。それは楓さんだけに関係した事ではなくて、虎徹さんにも、そして僕にも関係している。
今はまだ、虎徹さんという存在なしでは、僕と彼女はどこかぎこちない状態だ。多分不自然なのだろうだけど、健全な関係でないとは思わない。きっとまだ楓さんも僕も、虎徹さんを必要としていても許されると思うからだ。
「楓は? 風呂入った?」
……ええ。虎徹さん、ロイズさんからの電話はもう終わりました?
「へ? うん、まあ。仕事のことでちょっと。休暇楽しめって言われた。あと、お前にもよろしくってさ」
ロイズさんには本当にお世話になった。というより、迷惑をかけた。虎徹さんが引退すると言い出してから僕自身が引退するまでの間に、ロイズさんの頭の白髪の増えたことと言ったら。
けれど、当時の僕は自分の事しか頭になくて、ロイズさんを含めた周囲を慮ることなんて考えもしなかった。虎徹さんの事すらも。それ程までに、あの頃の僕は幼稚だった。今だからこそ言えるけれど、正直、虎徹さんに捨てられても文句の言えない立場だったと思う……『捨てた』と言うと、当の誰かさんはあれこれ言って否定したがるけれど。客観的に言って、そうとしか言い様がないのにも関わらず。
「ああ、グラス、片付けてくれたんだ。サンキュ」
そう言って虎徹さんは、冷蔵庫からペリエの小さい瓶を取り出して蓋を開けた。
「……そういやさあ、バニー、さっきのドラマ見ててふっと思い出したんだけどよ」
……はい、何ですか?
「その、二年前にお前とアカデミーで会った時にさ……お前、俺を見るなり泣き出したろ。校庭に響き渡るぐらいの大声で。あれ、何でだったんだ? あの時は、あんまりびっくりしたもんだから気にも留めてなかったんだけど、急に思い出しちゃって」
……ああ、あの時の事ですか。
……あの頃の僕は、貴方の事なんてすっかり吹っ切ったと思っていたんですよ。でも、目の前に貴方がまた現れた瞬間、全然何も吹っ切れていなかったんだと気づいて。ああ、僕はこんなおじさんにこれからもずっと縛られて生きていくのかもしれないな、と思ったら、急に泣けてきたんです。
と、いう事を説明したら、虎徹さんがやや小さい声で、悪かった、と口にした。
僕の方はもう気にしていない。気にしていたら、こんなにさらりと口に出して説明は出来ないだろう。
でも、そう言えるのは今だからこそだ。あの時の、初恋の相手に捨てられて人生で二番目に最悪な日を迎えた僕だったら、頑として認めないだろう。
……貴方が僕を一度は捨てたこと、絶対に忘れません。二度目は絶対にないと思って下さいね。
殊更に笑顔をつくってそう言うと、虎徹さんはペリエを口の端からだらだらと零しながら固まった。それから、手近なところにあった食器拭きを掴んで、いそいそと口元を拭う。
少しだけ、ざまあみろ。もう縋り付くなんて真似はしない。代わりに、一生尻に敷いてやると決めたんだ。
……ところで虎徹さん、あれから結局、モーニング見つかりました?
「ああ、それがさあ、買い物行ってから探してみたんだけど、どーこ探しても見つかんねえのよ。実家の箪笥にもないって言うし、ほんと、どこ行ったもんかね」
……どこ行ったもんかね、じゃ済まされませんよ。どうするんです。マスコミが入るんですよ?
「兄貴に借りるって方法も考えたんだけどさ、兄貴は兄貴で、こっちの式の前日に、知り合いの結婚式に呼ばれてるんだと。一週間前とかならともかく、前日はちょっと危ないよな。アントニオは只の黒いスーツでもいいって言ってくれてんだけど、親友の式だし、やっぱちゃんと決めないとなあ。面倒だけど、買うか借りるかしかねえな、こりゃ」
……解りました。もう一着あるので、それ着て下さい。
「え、もう一つ持ってたのかよ!?」
……一度着たきり、ずっとしまってました。アイロン掛けが難しい生地らしくて、クリーニング業者に嫌がられたんですよ。頼むから汚さないでくれ、って。
「うわー……大丈夫かなー……」
無理でしょうけど別に構いませんよ、と僕が言いかけたところで、どこかから音楽が聞こえてきた。流行のポップス。音源を辿ってみると、ソファの隅に楓さんの携帯電話があった。ポケットに入れておいたのが、何かのはずみで落ちたんだろう。
携帯の着信音はすぐに切れた。メールか、または伝言メモでも届いたのか、ランプが虹色に点滅して輝いている。虎徹さんはじっと携帯の背面ディスプレイを凝視していたが、いきなり素っ頓狂な声を上げると、あろうことか楓さんの携帯を開こうとした。慌てて後ろから羽交い締めにする。
……ちょっと、何してるんですか!
「だって今表示されてたの、男の名前だったぞ! こんな時間に電話してくるなんて、どんな関係だよ! 楓に男友達がいるなんて、俺は聞いてねえ!」
世の人間の半分は男だろうに、何を言っているんだろうか、この人は……。
親子喧嘩の危機を阻止すべく、ハンドレッドパワーを発動させてまで僕が虎徹さんから携帯を死守していると、物音を聞きつけた楓さんが居間にやってきた。髪がまだ濡れている。
「ねえ、何の騒ぎ……って、ちょっと、お父さん! 私の携帯勝手にいじらないでよ!」
楓さんは虎徹さんの手から携帯を奪い返すと、きっと虎徹さんを睨んだ。一瞬だけ、虎徹さんがたじろぐ。
「ええと、その……ごめんな? パパ……じゃなくてお父さん、楓のことが心配でさ」
「心配って、何が」
「例えば、普段どんな子と一緒に遊んでるのかなー、とか……」
「だからって、普通人の携帯勝手に見ようとする? しんっじられない。お父さんサイテー」
すっかり機嫌を悪くした楓さんは髪を乾かしに居間を出て行き、虎徹さんは落ち込んだ表情でソファに座り込んだ。少し可哀想だけれど、自業自得なのでフォローのしようもない。
明日の買い物で何とか機嫌を直してもらえるよう、今からでもプランを練っておいたらどうですか。僕は虎徹さんにそう言うと、クローゼットの奥にしまい込んだモーニングを探しに行ったのだった。
(終)
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生暖かく、冷たくはなく(後日談)
おじさん引退後のヒーロー達は、大体こんな感じです。
ネイサン...世代交代の時期だと感じて引退。
カリーナ...おじさんと別れてやさぐれたバニーちゃんと大喧嘩。その反動で引退し、歌手に転向。まだバニーちゃんと絶縁中。
キース、パオリン、イワン...現役。
アントニオ...自分もそろそろ能力減退の時期かな、と思っていたところに思わぬ結婚のチャンス到来。これを逃したら結婚出来ないだろうが、しかし親友が仕事と家庭の板挟みになっていたのを見てきたので、どうしたものか苦悩。そうしたら能力減退の兆候が出てきたので、すっぱり引退することに。
社長「引退するの? いいよ。じゃあファンへの報告も兼ねて、結婚式は放送するから」
牛角「工工工エエエエエエェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工」
ネイサン...世代交代の時期だと感じて引退。
カリーナ...おじさんと別れてやさぐれたバニーちゃんと大喧嘩。その反動で引退し、歌手に転向。まだバニーちゃんと絶縁中。
キース、パオリン、イワン...現役。
アントニオ...自分もそろそろ能力減退の時期かな、と思っていたところに思わぬ結婚のチャンス到来。これを逃したら結婚出来ないだろうが、しかし親友が仕事と家庭の板挟みになっていたのを見てきたので、どうしたものか苦悩。そうしたら能力減退の兆候が出てきたので、すっぱり引退することに。
社長「引退するの? いいよ。じゃあファンへの報告も兼ねて、結婚式は放送するから」
牛角「工工工エエエエエエェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工」