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暁現代パロ(16):俺と姉貴と父と義父・8

姉貴の部屋を少し公開。
 
続き
 
夜。
夕食後、風呂から上がった俺は冷たい水か何かを飲みたくて、てくてくと居間に向かった。
が、居間へのドアを3センチほど開けた所で、ドアの向こうからミカヤが出てきた。
「あらサザ、お風呂上がったの?」
「ああ」
「そう、じゃあ二階に行きましょ」
「えっ、ちょっと、ミカヤ」
ミカヤは俺の手を掴み、有無を言わせぬ勢いで二階へと引きずっていく。俺の部屋のドアを開けてそこに入ると、後ろ手にドアを閉めた。
「何するんだよミカヤ! 俺、下に用があったのに」
「サザったら、気が利かないわね。貴方がいつまでも居間にいたら、お父様たちがいつまで経ってもおっぱじめられないでしょう」
「…おっぱじめるって、何を…」
「わたしに言わせるの? セクハラよ、それは」
左様でございますか。
何だかもう…俺は、父さんたちのアレやコレについては、深く考えない事にしている。しばしば場所をわきまえない事は大迷惑極まりないんだが、かといって口出しするのも恥ずかしいので、仲良き事は素晴らしき哉と割り切って考える様にしている。
「俺、水か何か飲みたかったんだけどなあ…」
と、俺が呟くと、ミカヤがこう言った。
「そういう時の為に、普段から色々常備しておかないからよ。来なさい、わたしが分けてあげるわ」
と言って、ミカヤは自分の部屋に行った。後から俺がついて入る。
ミカヤの部屋には冷蔵庫がある。ホテルの個室に備えつけられている様な小さいので、父さんに頼んで買ってもらったものだ。中を開けると飲料缶やペットボトルがずらりと並んでいた。
「お茶とポカリと、どっちがいい? ミスティオに桃天に、野菜ジュースもあるわよ」
「他には?」
「そうねえ。豆乳でしょ、コーヒーでしょ、紅茶でしょ…あ、サイダーとなっちゃんもあるわね。ウイダーインゼリーもあるけど、どれがいい?」
…何でそんなに入るんだ?
俺がポカリを頼むと、ミカヤはペットボトルを取り出してきて言った。
「はい、100円ね」
「金取るのかよ!」
「当然でしょ。等価交換よ。払うの、払わないの?」
こんな姉を俺は鬼だと思いながら、仕方なく自分の部屋に戻って100円玉を取ってきた。
「お菓子もあるわよ、食べる?」
「…1個100円なんだろ?」
「200円よ」
「要らないよ」
俺が溜息をつきながらぐるりと部屋を見回すと、冷蔵庫の隣に鎮座している白い箱が目についた。冷蔵庫と同じくらいの大きさで、天板が上に開く形になっている。
「ミカヤ、その冷蔵庫の隣にあるの、何だ?」
「これ? 冷凍庫よ。この間ゼルギウスさんと一緒に買いに行ったの」
俺が中を覗いてみると、アイスや氷が詰まっていた。
…いつの間にこんなもの買ったんだ? いや、何て言って買わせたんだ?
「この冷蔵庫を買ってもらった時と同じよ。今晩みたいな時に困るからって言ったら、二つ返事でOKしてくれたわ」
父さんもミカヤも、どういう気の遣い方をしてるんだか。
「氷はねー…この季節はすぐに無くなるから、日頃から飲み物用に、こっちの冷凍庫にある程度確保しておかないとね。でないとお父様たちが使い切っちゃうから」
父さんたちが氷を何に使うのかは、俺は知りたくなかったけど知ってしまっている。
「あ、アイスは一つ100円よ」
「いいよ、もう…」

ファイアーエムブレム::暁現代パロ | 2007.08.20 08:41

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