ネサリュシ。
無力だったから助けに行けなかったと、昔はそう思っていた。
今なら解る。どんなに無力でも、あの時しかなかった。あの時が一番自由でいられた時だったのだと。
「ネサラ…ネサラ、ひどい事をしないでくれ」
「ひどい事なんて、した事もない」
昔も今も、お前にはこんなに優しいじゃないか。お前が解らないだけなんだよ。
お互いの顔が見えない中、首筋から指を這い上がらせて手探りでリュシオンの表情をなぞる。
頬を流れる涙で指先が濡れた。きっと子供みたいな顔で泣いてるんだろうなと、ネサラは思った。腹を立てて怒鳴ればいいのに、ネサラの様子を伺っているのか、リュシオンは四肢を固まらせていた。ただ暗闇ではっはっと荒く呼吸を繰り返しながら、まだ泣いて涙を流し続けていた。
その顔を抱き寄せて眦を舐めると、体中にキスしたくなって、ネサラはリュシオンを押し倒して抱きしめて首筋に口唇を埋めていた。
鳥でエロは書かない泥沼にしない、と誓った私は何処に行ったのやら。
あまつさえ、初鳥エロが何でネサリュシなのティバリュシじゃないの。
…でもこれ、出来ればちゃんとした話にしたいなあと思っています。