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暁現代パロ(3):君と僕とラブレター

エディ&レオナルド。
 
続き
 
週に一度は、こういうことがある。

下校時刻の午後4時前、レオナルドは下足棚で途方に暮れていた。
弓道部の練習に早く行きたい。先輩が来る前に鍵を借りて道場を開けて、床にモップを手早くかけて…一年生にはしなければいけない事が山とある。
だが、この用事を放っていく訳にもいかない。
…どうしよう。
「どうしたんだ、レオナルド!」
そこへ親友のエディがやってきた。通学鞄とスポーツバッグの二つを下げている。剣道部用のスポーツバッグを持ってきたところを見ると、彼も今日は部活らしい。
「あ、エディ」
「何だよ、どうかしたのか?」
「うん…」
レオナルドは少し頬を染めつつ、自分の手にある一通の手紙に目を落とした。
「あっ、またラブレター貰ったのか」
「うん…」
「いいなー、おれ一度も貰ったことない。ていうか、告白すらされたことないし」
エディは笑顔でそう言いながら自分の靴を履き替え、左手に内履きを持つ。剣道場でまた履き替えるのだ。
「ほんっと、レオナルドってもてるよな。誰かと付き合っちゃえばいいのに。もったいない」
「まだ学業の方に専念したいから、こういうの貰っても…困るんだ」
「ふーん。なら、おれがそれ返してきてやるよ」
「えっ?」
「困るんだろ?」
エディはそう言って靴をまた履き替えて、レオナルドの手からラブレターをひったくった。
「あっ、ちょっと、エディ!?」

…それから30分後。
「もう! どうして君はそう無神経なんだ!?」
レオナルドは下足棚に向かいながら、隣の親友に怒鳴っていた。
「って言われてもさ…お前もあのラブレター寄越した子も、何でそんなに怒るのか分かんないよ。そんなにいけない事したの、おれ?」
「だから無神経だって言うんだー!」

二人は高1、という設定です。
高校の入学式で偶然知り合い、クラスも偶然同じで、以来ウフフアハハな親友同士。
互いに互いを「こいつは放っておけないな」と思っていると良いです(どれだけ夢見てるんだお前)。

ファイアーエムブレム::暁現代パロ | 2007.06.24 15:10

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