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暁現代パロ(18):俺と姉貴と父と義父・9

新キャラ登場。
 
続き
 
突然ですが、ミカヤに彼氏が出来ました。

「あ、サザ。ただいま。紹介するわね、ペレアス様よ」
そう言ってミカヤが玄関で紹介した男は、くるくるした巻き毛が特徴的で、大人しそうな雰囲気だった。顔立ちはそれなりに整っていて、いかにもミカヤの趣味っぽい『かわいい』性格をしていそうな印象を受ける。
「こ、こんにちは。君がサザ…だよね。ミカヤからいつも話には聞いてるんだ」
「はあ、どうも。姉がお世話になってます」
俺はとりあえず挨拶もほどほどに、自分の部屋に引き上げた。
俺が制服を着替えている間に、二人はミカヤの部屋に移動したらしく、その後で俺は一階の洗面所に行って洗濯機に体育着を放り込んだ。
足音を押さえつつ階段を上がり、自分の部屋に戻ると、ミカヤとペレアスさんは何やら話をしている様だった。
服を着替えて通学鞄の中身を整理し、必要なものを入れて部屋を出る。するとミカヤが先に階段を下りていくのが見えたので、居間に行ってみると、ミカヤはキッチンでお茶を淹れていた。
「ミカヤ。俺、トパックの所に行ってくるから」
「あら、そう。帰りは何時?」
「6時までには帰るよ」

トパックの家は結構でかい。
亡くなった両親が遺したという家はいかつい塀と門があって、広い庭つきの家をぐるりと囲んでいる。俺は見た事がないが、家の裏にはまだ庭があるらしい。
家の造りも広く、キッチンとダイニングが完全別室だった。俺が訪ねていくと、ムワリムさんがトパックと俺におやつを作ってくれたので、俺とトパックはダイニングルームでそれを食べた。…ホットケーキっていうのは正直、どうかと思ったが。
「ふーん…それってさサザ。やっぱり、お前の姉さんの彼氏じゃないか? だって、今までうちの男友達連れてきたことないんだろ?」
「全くない訳じゃない。でも、男一人だけっていうのは、今日が初めてなんだ。やっぱり彼氏かな…」
「…なんかサザ。元気なくないか? さては、姉さんに彼氏出来て寂しいんだろ」
「むしろ俺としては、ミカヤの彼氏になる人が可哀想で仕方ないよ」
「またそういう事言う。強がるなよなー」
「いや、強がってないから…」
俺たちがホットケーキを食ってる最中、ムワリムさんは玄関掃除をしていた。この人の事はまだ、俺にはよく分からない。トパックによると『道で拾って、それ以来一緒に暮らしてる』そうだが、その説明じゃよく分からない。
おやつを食べ終わった俺たちは、トパックの部屋に移動し、今日の本題である宿題に取りかかった。パソコンでHTMLを作成する、という情報の授業の課題だ。
ホームページなんぞ作った事もない俺とは違い、トパックはその手の知識が多少はあるらしく、結構すらすらとマウス片手に作業を進めていく。
「ここのページにリンク貼って…よし、これでとりあえず大体の部分は完成したな! あと何だっけ、サザ?」
「ああ…確か、画像つけなきゃならない筈。こういうのに使ってもいい画像を、最低3枚借りて付けろ、ってプリントに書いてあった」
「じゃあ、あれか。素材サイトってやつ、色々見てみようぜ。でもおれ、素材サイトってあんまり詳しくないんだよなー。お前知ってる?」
「いや。俺、パソコンあんまり使わないから。うちでパソコン持ってるの、ミカヤだけだし」
「そうなんだ。あっ、そういえば、ミカヤのサイトのリンクページに、素材サイトあったよなー…」
「は!?」
俺は耳を疑った。
「何だよそれ! ミカヤの奴、自分でサイト作って持ってるのか!?」
「あれ、知らなかったのかサザ。ミカヤって結構絵上手いんだぜ?」
「それどういうサイトだよ! っていうか、何でお前ミカヤの事呼び捨てにしてるんだよ!?」
「だって、おれとミカヤ友達だもん」
「い、いつの間に…」
俺はミカヤがトパックの腹筋を狙わないよう、気をつけていたつもりだったのに。
…俺はつくづく、自分の姉を恐ろしいと思わずにはいられなかった。

長くなるので一旦切ります。

ファイアーエムブレム::暁現代パロ | 2007.12.29 05:09 | comment(0)

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