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暁現代パロ(4):僕とあなたとそれ以外・1

登場キャラはタイトルから推し量って下さい。
つうか、一目瞭然だと思いますが。
 
続き
 
前書きが面倒なのでまとめて説明。

  • グレイル一家は剣道場
  • 当然グレイルが師範、ティアマトが師範代
  • 当然アイクはグレイルの弟子
  • セネリオは施設出身、通学期間だけアイクの家に下宿している
  • アイク・セネリオは高2、ミストは高1(※ただしセネリオは1歳上)

暁パロなのに高校生ですいません。
外見は蒼炎でも暁でも、好きな方で想定なさってください。

素振りの合間の休憩時間、セネリオから手渡されたタオルで汗を拭きながら、アイクはふと壁にかかった札を見た。
ずらりと並ぶ名前の札。師範の所には父グレイルの名前、その隣には師範代ティアマトの名前、そして…。
「なあ、ティアマト」
「何?」
「あの、あんたの札の隣…ずっと空いてるだろ? あそこに、どうして札かけないんだ?」
アイクは壁を指さした。ティアマトの札の隣、そこは不自然に空いていた。ずっとだ。アイクの記憶では、自分がかなり幼い頃にはあそこは空いていなかった気がするのだが、今は何もない。ただし確かに以前には札はかかっていたらしく、壁に四角い日焼けの跡が残っている。
「ああ、あれね…私もよく知らないのよ。アイクも知っている通り、私はここの道場に通って10年とちょっとぐらいだから。でも私が来た頃にはもう、あそこは空いていたわね。師範に聞いてみたら?」
「聞いても教えてくれないんだ。あんたなら知ってるかと思ったんだが…そうか、知らないんなら仕方ないな」
そこへ、ミストが困惑した様子で道場に入ってきた。
「あっ…お兄ちゃん、ティアマトさん。また例の変な人が来てたの」
「例の変な人って…あなたが言ってた奴のこと?」
「そう。いつもの黒いスーツにサングラスで…道場の中を覗いてた。わたしに気づいていなくなったけど…」
アイクとティアマトはそれぞれ竹刀を握り、道場の入り口から外に出た。その後ろを、セネリオとミストがついて行く。
「何処にいたんだ、ミスト?」
「あそこ」
ミストは道場の窓の外を指さした。そこへアイクとティアマトが行ってみると、人影はなかった。ただし雑草がしおれていて、誰かが踏んだ痕跡がしかと残っている。一応周囲を見回ってみたが、怪しい人影はなかった。
「やっぱり、警察に相談した方がいいんじゃないですか」
セネリオがそう言うと、ティアマトはこう答えた。
「そうよね…私もそう言ってるんだけど、師範がうんと言わないのよ。何故か」
「心当たりがある、という事でしょうか」
「そうかもしれないわ。でも、詳しく突っ込んでも答えてくれないのよ」
ティアマトは溜息をついた。
「最も…何か直接的な被害を被った訳じゃないから、警察に相談したって無駄かもしれないわね」
「確かにそうですね」
変質者は半年前ぐらいから出没し始めているが、時々道場を覗くだけで、それ以外には何もしていない。いっそ何かしてくれれば警察に突き出せるのだが。
「しかし、黒い背広にサングラスですか…ひょっとして、アイクのストーカーと同一人物じゃないでしょうか」
「それって、お兄ちゃんが大会に出る度に見に来る男の人のこと?」
セネリオは頷いた。
「ああ、そう言えばそんなのがいるらしいな。俺はよく知らんが。大会では試合の事で頭がいっぱいだしな」
「呑気な事言わないでください、アイク。その男が何かやらかしたらどうするんですか」
「単に、剣道の試合を観るのが好きなだけかもしれないだろう」
「それはそうですけど…」
不安がっているミストの肩を、アイクがぽんと叩いた。
「ミスト、心配するな。俺がいるし、親父にティアマトにセネリオだっているんだ。何かあったって、お前の事は必ず守ってやるから」
「うん…分かった」

…流石に全身鎧では不審過ぎるので、こうなりました。

ファイアーエムブレム::暁現代パロ | 2007.06.24 21:39 | comment(0)

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